2011-09-07

自己流スフィアマップ作ってみた:補項

これはなに?

この動画の補項です。

自分で作ってみたスフィアマップについて、作り方・意図・調整などを解説する動画になってます。
このエントリは、上記動画を見た方を対象に書いています。尺などの都合から言及できなかったことや、不足であったり誤解を招くおそれがある部分について補完する目的のものです。

まずお詫び

エンドクレジットに以下の抜けがありました。すいませんでした。

フォント
GD-高速道路ゴシックJA
 ぱんかれ様

http://www.hogera.com/pcb/
タイトルに使用しました。ちょっとクセのある面白いフォントです。
高速道路の文字を再現しようという目的で作られたフォントなので、標識に使われないような文字は含まれません。なので本文用などには向かないですね。

エフェクト
WorkingFloor2
 針金P

http://harigane.at.webry.info/201010/article_1.html
ご存じ、「仕事する床」。
使いやすく面白い優良エフェクトですね。今回は、モデルのカメラから見えない部分を表示するために使用しています。

ポリゴンの詳細さとスフィアマップ

テスト表示に使用した3つのモデルのうち、ハイポリ代表の「四角」とローポリ代表の「三角」では、ポリゴン数に30倍ほどの差があります。
スフィアマップの表示(とMMD標準の陰影なども)は、モデルのポリゴン構造に大きく依存します。
そのため、動画で気付いた方もおられるでしょうが、三角の表示は四角と比べるとなめらかさに欠け、ちょっと不自然です。

ポリゴンの細かさによるスフィアマップの見え方の違いを実感して欲しいため、テストモデルにハイポリとローポリの両方を用意したんですが、テンポや尺の問題から動画では言及しませんでした。

表面下散乱

SubSurface Scattering、略してSSS、と言った方が馴染みがある方が多いかもしれないですね。自分も日本語表記は今回初めて使いました。
人間の皮膚だけでなく、結構いろんなもので起こる現象です。トマトや牛乳、大理石なんかも実はこの現象であんな風に見えてます。 どういう色が出やすいかはそれぞれ違いますが。

さて、動画で使った表面下散乱なスフィアマップですが、これも作るのは簡単です。
普通のスフィアマップを、こんなトーンカーブで調整しただけ。具体的に言うと、赤色をちょっと強くしただけですね。二次絵師さんが人物を描くときに、肌に対して赤で焼き付けしたりしますが、それを参考にしてます。
調整の注意点としては、順光と逆光のレイヤーに対して、必ずそれぞれ別々に調整してください。順光と逆光では明度のピークも最大値も異なるはずですので、それぞれ適したトーンカーブは異なります。同じカーブで調整してしまうと結構ダメな事になってしまうので気をつけてください。
ちなみに画像のカーブは調整途中のもので、このまま使うとちょっとアレです。最終的なものは撮り忘れました。

この操作は、TCSで使用した肌スフィアマップにも行っていますが、効果のほどは未知数です。TCSで使用したスフィアマップは配布中ですので興味のある方はどうぞ。

配布中のスフィアマップについて

で使ったスフィアマップを配布しているのですが、色々と未完成です。
手探り状態の頃(今も割と)に作ったものなので、あからさまに駄目な部分があります。ベスト部分はテカりすぎな上、下方からの逆光に対して肌と同じく調整すべきでした。が、肌は肌で、床が白い石で出来ているため、反射光を考慮すべきでした。瞳に至っては完全に失敗で無い方がマシです。まあそういう感じのものなので、使う場合は注意してください。

スフィアマップを作るのは誰?

動画中、シーンなどの違いによってスフィアマップは複数用意すると効果的だ、というような事を述べていますが、これはモデル作者さんが複数のスフィアマップを作成し添付するべきという意図のものでは全くありません。

演出意図という言葉を繰り返し使っている事からわかるはずですが、シーンや表現に合わせたスフィアマップを用意するのはあくまで表現者、つまり動画や静画の作者であるべきでしょう。いくつもの状況にあわせたスフィアマップをモデル作者さんが用意するのは現実的でありませんし、使われるとも限りません。
モデルに添付するものは汎用的なものだけに限って良いと思います。ですがもちろん作者さんが、特殊な状況向けのものも用意したいのであれば別です。

おまけについて

当初はもっと穏当なはずだったんですが、小悪魔モデルのボディラインがあんまり良くできていて、ううむこれは、といじくりまわしてる間にああいう事になってしまいました。不快でしたらすみません。

あのおまけは実のところ、間違い探しの様な要素があります。

解説本編の最後で、「控えめな方がよい」と言っておきながらあんなにテカテカしてるのもそうですし、コメントでも指摘してもらいましたが(ありがとうございます)、砂浜のシーンなのに下方からの照り返しを考慮していません。「暗いシーン」もかなり光りすぎてて不自然です。それらの辺りに違和感を感じて欲しくてああいう作りになっています。人間は自分で気付いた事を重要視し、忘れにくいように出来ていますから。

あのおまけを見ておかしいなと思ったり違和感を感じたりしたら、スフィアマップ(に限りませんが)を自分で作るとき、その辺りを考慮して調整してください。

そういうわけなので、あのおまけで使ったスフィアマップはあまり実用には適しません。なので配布予定はありませんのであしからず。
というか簡単なのでぜひ自分で作ってみてください、という動画を作ったつもりです。

おかりしたものについて

今回の動画でも色々とおかりしています。ありがとうございます。これら無償公開されたもの無しではもはや全く何も出来ません。

以降は、スフィアマップ とはほぼ無関係な内容となるので、興味のある方だけどうぞ。

BGM

【鏡音リン】 HighEndCity 【VOCALOID】【オリジナル】
 emon(Tes.) 様
http://www.nicovideo.jp/watch/sm13546522
本編のBGMに使用させていただきました。
軽快でお洒落な曲ですね。配布してくださっているオケを中心に使用しています。
この動画がなんとなく格好良かったりお洒落に見えたりしたとしたら、このBGMのおかげに違いありません。


【東方自作アレンジ】魔法少女達の百年祭~宵々々山【全曲マラソン】
 shinnsenyasai 様
http://www.nicovideo.jp/watch/nm8753324
おまけのBGMに使用させていただきました。
魔法少女達の百年祭は紅魔郷のExステージの道中曲ですので小悪魔とは直接の関係はありませんが、それほど無関係でもない……と思います。
おまけがあんな内容ですので、上品で速いテンポのBGMに乗せて聞いたことのないような用語と説明でたたみ掛けて、無理矢理真面目な動画っぽく見えるようにしています。


【東方自作アレンジ】 東の国の眠らない夜 何かのED風味 【東方文花帖】
 こむぎ 様
http://www.nicovideo.jp/watch/sm15234235
ED風味、ということでエンドクレジットに使用させていただきました。
東の国の眠らない夜は東方文花帖のステージ曲ですので今度こそ本当に何の関連もありませんが、ED風味な曲と言うことでチョイス。こむぎさんの曲が好きで何かに使いたいと思っていたので、完全に趣味です。


モデル・アクセサリ

バトーキン島
 バトーキン 様
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11122007
南の島をイメージしておまけに使用させていただきました。
この動画では基本的に、MMDの出力に対しては色調補正などを行っていないんですが、このバトーキン島のみ、モデルと別出力にしてグロー等で補正しています。


小悪魔(こあ&ここぁ)
 アールビット 様

http://www.nicovideo.jp/watch/sm14912923
言うまでもなくおまけとエンドクレジットのモデルとして使用させていただきました。
東方キャラですが、紅魔郷では台詞がなく名前が未設定で、儚月抄本編では(散々大図書館のシーンがあるにもかかわらず)登場すらしないという扱いで、公式色はかなり薄い。
そのせいかどうかはわかりませんが、クセが無くとても使いやすいモデルです。
今回は水着でしたが、通常モデルの長いスカート姿が個人的にナイスです 。
性格はこぁが真面目、ここぁが無邪気で小悪魔というイメージ。


紅魔館の部屋セット
 アールビット 様

http://www.nicovideo.jp/watch/sm13490326
おまけとエンドクレジットの背景アクセサリとして使用させていただきました。
色々と使いやすい優秀なセットで、たくさんの動画で使用されています。
今回は何の工夫もなく使ってますが、特に違和感もないのがすごい。


フォント

VL P ゴシック
 鈴木大輔 様

http://vlgothic.dicey.org/
本編テキストに使用させていただきました。
クセが無く読みやすい作りで、まさにテキスト向けなフリーフォントです。
かなりの文字数を誇り、足りない文字がないという印象。


モトヤアポロ1
 株式会社モトヤ 様
http://www.motoyafont.jp/
エンドクレジットに使用させていただきました。
フォントの製造販売を行っている企業ですが、いくつかのフォントをフリーとして配布してくれています。あたりまえですがクォリティがすばらしい。
和文フォントの制作にはかなりのコストがかかりますが、それをフリーで公開しているというのはもうありがたいとしか。


ツール

GIMP 2.6.11
GNU Image Manipulation Program
 by Spencer Kimball, Peter Mattis and GIMP Development Team

http://www.gimp.org/
スフィアマップの作成に使用させていただきました。
「ソフトとか買わなくてもなんでも出来るようにしようぜ」という目的のGNUプロジェクトにおけるグラフィック編集担当。ありがたいことです。
ある意味この動画の主役なので、エンドクレジットには略称GIMPの他に正式名のGNU Image Manipulation Programも載せたわけですが、GNUをGINUとまさかのtypo。馬鹿じゃないの。ほんとすいません。


Javie 0.5.9
 らくさん 様
http://www.nicovideo.jp/watch/sm12949516
動画制作に使わせていただきました。
ニコニコ発の動画加工・編集ソフトで、GPUを使用するために非常に軽い。
エフェクトの種類に限りがあるなど、あまり凝ったことをするには向かない感じですが、プラグインの仕様も公開されていてこれからという印象。
この動画ぐらいのものを作るならとてもオススメです。とにかく軽い。


PMDエディタ ver 0.1.2.3
 極北P

スフィアマップをモデルに適用するのに使用しています。
無くてはならないものその2


MMD ver 7.39
 樋口M

説明不要ですね。この動画の全ての中心。
無くてはならないものその1